1994 年 47 巻 3 号 p. 289-295
血清学的に深在性真菌症と診断した基礎疾患を有する小児の患者にFluconazole (FLCZ) の注射剤と細粒剤を投与し, 血清学的及び臨床的効果を検討した。注射剤をカンジダ性多発性肝脾膿瘍あるいはアスペルギルス症を合併した急性白血病各々1名に, さらに細粒剤をD-アラビニトールの上昇を認めた神経芽細胞腫1名と再生不良性貧血1名に投与した。いずれも特に問題となるような副作用を認めず, 血清学的にも臨床的にも改善し有効であった。
また, 未熟児1名を含む新生児6名にFLCZ (3mg/kg体重) を静脈内投与し, 血漿中濃度推移を検討した。血漿中濃度半減期は37.4~41.2時間と成人や学童児に比較し延長しており, 投与する上で注意が必要であると考えられた。