1994 年 47 巻 3 号 p. 304-308
小児の深部真菌感染症に対して, Fluconazole (FLCZ) による治療を試み, 2例で効果が見られたので報告する。
症例1は再発ALLの治療中にカンジダ性食道炎を合併した7歳男児。FLCZ6mg/kg/日の投与で, 10日後には解熱した。D-ArabinitolとFungal Indexが著しく上昇し, 解熱とともに低下した。症例2はALLの治療中にカンジダ性肺炎を合併した14歳男児。FLCZ3mg/kg/日の投与で, 2週間後には一時軽快したが, 白血病細胞の増加とともに再度増悪して死亡した。肺炎発症時, D-Arabinitolが陽性で治療によつて低下したが, 死亡4日前には再度上昇し, Cand-Tecも陽性となった。症例3は神経芽細胞腫の治療中にカンジダ性肺炎を合併した7歳女児で, FLCZ の効果なく死亡した。
FLCZによると思われる副作用は見られなかった。