1994 年 47 巻 8 号 p. 1006-1012
In vitro濃度シミュレーションシステムを用い, ヒト血中濃度推移における緑膿菌に対する Isepamicin (ISP) とOnoxacin (OFLX) の殺菌効果を検討した。ISP 400mg×1とISP 200mg×2との殺菌効果の比較では-2log~-3log殺菌維持時間の長さは, 200mg×2添加の方がわずかに長く, その他の効果はほぼ同等であった。またOFLX 300mg×1とOFLX 300mg×2での比較では-1log殺菌維持時間と同復時間の長さは, 300mg×2の方が長かった。ISP 200mgとOFLX 300mgでの短時間殺菌効果はISPの方が強く, また殺菌維持時間も長く優れていた。注射薬であるISPを先行投与し, 次いで12時間後に経口薬であるOFLXを投与した併用では, それぞれ単独あるいは2回投与した場合と比べ, 著明な殺菌効果と再増殖抑制効果がみられ, ISPの投与量が多いほどその効果は著明であった。