The Japanese Journal of Antibiotics
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寒天平板希釈法と微量液体希釈法におけるニューキノロン薬感受性測定成績 (MIC) の比較
岩崎 容明辻 明良金子 康子五島 瑳智子
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1995 年 48 巻 3 号 p. 389-401

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抄録

寒天平板希釈法と微量液体希釈法によりニューキノロン薬Ofloxacin, Ciprofloxacin, Tosufloxacin, SparfioxacinおよびBalofloxacinの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, その比較を行った。グラム陽性菌群・グラム陰性菌群の2種類の感受性試験法で得られたMIC間の1次回帰曲線より相関係数 (r) を求めた。その結果, ニューキノロン薬全体でのグラム陽性菌群における相関係数はr=0.891, グラム陰性菌群における相関係数はr=0.865でいずれも良好な相関が認められた。また, 個々の薬剤について検討したところ, グラム陽性菌群における相関係数はr=0.835~0.919, グラム陰性菌群における相関係数はr=0.815~0.865で, 各薬剤とも良好なMICの相関関係を示した。また, 各回帰曲線の傾きおよび切片の値はグラム陽性菌群内またはグラム陰性菌群内であれば各薬剤とも同様の値を示した。なお, Morganella morganii, Pseudomonas cepacia, Xanthomonas maltophilia, Pseudomonas aeruginosaおよびStreptococcus pneumoniaeではMIC間の相関の見られない株がわずかに認められた。

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