The Japanese Journal of Antibiotics
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48 巻, 3 号
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  • 松本 慶蔵, 永山 在明
    1995 年 48 巻 3 号 p. 303-310
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • azobactam/Piperacillin小児科感染症研究会
    藤井 良知, 奥野 晃正, 藤田 晃三, 吉河 道人, 印鑰 史衛, 瀧本 昌俊, 西條 政幸, 我妻 義則, 福島 直樹, 石川 丹, 高 ...
    1995 年 48 巻 3 号 p. 311-345
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたTazobactam/Piperacillin (TAZ/PIPC, YP-14) の小児科領域各種感染症に対する基礎的・臨床的検討を目的として研究会を組織し, 全国17基幹施設とその関連施設による共同研究を行い, 以下の成績を得た。なお, 患児はその親権者よりすべてInformedconsentを得てある。
    1. 血中濃度, 尿中排泄
    TAZ/PIPCの小児での体内動態を25mg/kg及び50mg/kgを静注または点滴静注し検討した。静注ではTAZ及びPIPCの最高血中濃度 (Cmax) は共に投与終了後最初に測定を行った5分後にみられ, TAZは25mg/kg投与で26.9μg/ml, 50mg/kg投与で45.1μg/ml, PIPCはそれぞれ131.0μg/ml, 199.6μg/mlを示した。また, 血中濃度下面積 (AUC) についてはTAZが25mg/kg投与で14.2μg・hr/ml, 50mg/kg投与で26.1μg・hr/ml, PIPCがそれぞれ64.0μg・hr/ml, 112.8μg・hr/mlとなり, TAZ, PIPC共, 用量依存性を認めた。PIPCの活性代謝物であるDesethyl piperacillin (DEt-PIPC) は25mg/kg及び50mg/kg共に投与終了60分後にCmaxに達しそれぞれ1.2μg/ml, 2.0μg/mlであり, AUCはそれぞれ2.6μg・hr/ml, 4.2μg・hr/mlであった。
    血中半減期 (T1/2) はTAZがそれぞれ0.60時間, 0.54時間, PIPCがそれぞれ0.62時間, 0.65時間であった。
    累積尿中回収率は, 静注開始後6時間までにTAZがそれぞれ46.7%, 56.0%, PIPCがそれぞれ46.1%, 57.2%, DEt-PIPCがそれぞれ5.9%, 3.0%であった。
    点滴静注ではTAZとPIPCのCmaxは共に投与終了直後にみられ, TAZは25mg/kg投与で12.1μg/ml, 50mg/kg投与で28.9μg/ml, PIPCはそれぞれ54.6μg/ml, 137.9μg/mlを示した。また, AUCについてはTAZが25mg/kg投与で11.6μg・hr/ml, 50mg/kg投与で25.6μg・hr/ml, PIPCがそれぞれ49.0μg・hr/ml, 117.2μg・hr/mlとなり, TAZ, PIPC共, 用量依存性を認めた。PIPCの活性代謝物であるDEt-PIPCは25mg/kg及び50mg/kg共に投与終了60分後にCmaxに達し, それぞれ0.9μg/ml, 1.7μg/mlであり, AUCはそれぞれ2.0μg・hr/ml, 3.8μg・hr/mlであった。
    T1/2はTAZがそれぞれ0.59時間, 0.62時間, PIPCがそれぞれ0.58時間, 0.57時間であった。
    累積尿中回収率は, 点滴静注開始後6時間までにTAZがそれぞれ43.3%, 56.9%, PIPCがそれぞれ39.9%, 56.4%, DEt-PIPCがそれぞれ2.1%, 2.3%であった。
    化膿性髄膜炎患児における髄液中濃度は, 1回投与量が70mg/kg~108mg/kgの範囲で1病日から15病日の投与後2時間~4時間に採取し, TAZが0.26~3.88μg/ml, PIPCは0.29~3.89μg/mlであった。
    2. 臨床成績
    総症例332例から除外・脱落例32例を除いた300例を有効性解析対象例として検討した。ただし, 2疾患合併した2例については各疾患毎に重複集計し, 有効性延べ解析対象症例としては300例に2例を加えた302例で解析した。
    起炎菌検出例 (A群) の臨床効果は178例中177例が有効以上となり, 有効率は99.4%であった。起炎菌非検出例 (B群) 124例では117例が有効以上で有効率は94.4%であった。
    起炎菌別臨床効果は, β-ラクタマーゼ産生菌分離症例のうち単独菌感染では58例中57例が有効以上で98.3%, 複数菌感染では14例全例が有効以上であった。β-ラクタマーゼ産生菌分離症例全体での有効率は98.6% (71/72) であった。
    A群での1日投与量は>60~150mg/kgで全体の74.7% (133/178) を占め, その有効率は99.2%であった。
    細菌学的効果はグラム陽性菌63株中58株 (92.1%), グラム陰性菌131株中126株 (96.2%) が消失した。起炎菌全体に対する消失率は94.9%であった。その内, β-ラクタマーゼ産生菌株ではグラム陽性菌12株中9株 (75.0%), グラム陰性菌61株中57株 (93.4%) が消失した。β-ラクタマーゼ産生菌株全体に対する消失率は90.4%であった。
    3日以上先行投与された他抗菌剤に全く反応を示さなかった無効例に対する本剤の有効率は100% (46/46) で, 内β-ラクタマーゼ産生菌分離症例の有効率は100% (22/22) であった。細菌学的効果はグラム陽性菌に対し84.6% (11/13), グラム陰性菌に対し91.4% (32/35) の消失率を示した。内β-ラクタマーゼ産生菌に対しては, グラム陽性菌に対し66.7% (2/3), グラム陰性菌に対し895% (17/19), 全体では86.4% (19/22) の消失率を示した。
    3. 副作用・臨床検査値異常
    副作用の検討は総症例から8例を除いた324例で行った。副作用は28例 (8.6%) に認められ, 下痢が主で, 発疹, 発熱, 下痢・腹痛, 悪心・背部異常感, 意識レベルの低下であった。臨床検査値異常の検討は総症例から14例を除いた318例で行い, 臨床検査値異常は42例にみられ, 血小板数上昇, 好酸球増多, トランスアミナーゼ上昇が主であった。副作用, 臨床検査値異常とも特に重篤なものはなく, 本剤の投与中止または投与終了後, 消失もしくは正常に復した。
  • 品川 長夫, 由良 二郎, 真下 啓二, 松野 正紀, 力山 敏樹, 平山 隆, 田中 隆, 大塚 一秀, 岩井 重富, 中川 良英, 炭山 ...
    1995 年 48 巻 3 号 p. 346-367
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しいβ-lactamase阻害薬Tazobactam (TAZ) を配合したTazobactam/Piperacillin (TAZ/PIPC) の外科領域感染症における基礎的ならびに臨床的検討を腹腔内感染症 (腹膜炎, 腹腔内膿瘍), 肝・胆道感染症 (胆嚢炎, 胆管炎, 肝膿瘍) および創傷等の二次感染を対象に行った。総投与症例数は164例, そのうち臨床効果解析対象例は141例であった。その内訳は腹腔内感染症60例, 肝・胆道感染症38例, 創傷等の二次感染43例であった。臨床効果は腹腔内感染症83.3%, 肝・胆道感染症86.8%, 創傷等の二次感染95.3%, 全体では87.9%であった。また起炎菌としてβ-lactamase産生株が分離された症例における臨床効果は腹腔内感染症84.8%, 肝・胆道感染症84.6%, 創傷等の二次感染96.2%, 全体では88.9%であった。細菌学的効果における消失率はグラム陽性菌92.9%, グラム陰性菌64.3%, 嫌気性菌100%で単独菌感染全体で84.2%, 複数菌感染56.5%, 全体では69.0%であった。またβ-lactamase産生菌分離症例における消失率は, グラム陽性菌80.0%, グラム陰性菌75.0%, 嫌気性菌100%で単独菌感染全体で82.6%, 複数菌感染57.9%, 全体では67.2%であった。一方, 分離菌の消長は全菌株で79.9%, β-lactamase産生菌で79.2%であった。TAZ/PIPCと対照薬剤Piperacillin (PIPC), Cefotiam (CTM), Ceftazidime (CAZ), Sulbactam/Cefoperazone (SBT/CPZ) との感受性分布をみると, 全菌株に対して, TAZ/PIPCのMIC50は3.13μg/ml, MIC90は50μg/mlであり, MIC50でCAZ, SBT/CPZに2倍劣るもののCTMより4倍優れ, MIC90でPIPC, CTM, CAZより4倍以上優れていた。また, β-lactamase産生菌株に対してTAZ/PIPCのMIC50は3.13μg/ml, MIC90は50μg/mlであり, MIC50でCAZに4倍, SBT/CPZに2倍劣るものの, PIPCより2倍, CTMより4倍優れ, MIC90でSBT/CPZに2倍劣るもののPIPC, CTM, CAZより4倍以上優れていた。副作用は162例中1例 (0.6%) に下痢が認められ, 臨床検査値の異常変動は152例中14例 (9.2%) に認められ, 主にトランスアミナーゼの上昇であった。以上より本剤は外科領域感染症に対し, 起炎菌がβ-lactamase産生菌であっても有効かっ安全な薬剤であると考えられた。
  • YOSHIO INAGAKI, NAOKI YAMAMOTO, TOSHIO CHIDA, NOBORU OKAMURA, MAKOTO T ...
    1995 年 48 巻 3 号 p. 368-379
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Following the oral administration of DU-6859a to six healthy male volunteers at 100 mg per dose three times a day for seven consecutive days, the degree of disturbances of fecal microflora and fecal drug concentrations were examined.
    The total viable count decreased transiently during the administration due to changes in the number of members of the family Bacteroidaceae, the most predominant organisms. The other obligate anaerobes and most aerobes including facultative anaerobes were suppressed markedly by DU-6859a, with an exception of yeasts. Members of the family Enterobacteriaceae and most of anaerobic bacteria were reduced to below the detection limit in all subjects from the 3rd day of administration period to one day after the discontinuation of the drug. Clostridium thjficile was detected in one of the volunteers at the end of administration. Side effects, such as mild transient soft stool and mild transient diarrhoea, were observed in five and one volunteers, respectively. During the administration, DU-6859a was detected in feces at high concentrations which correlated well with the decrease of susceptible members of fecal flora as well as their detection rate.
  • 伊藤 文男, 佐藤 一美, 原内 敏夫, 平田 雅春, 水島 敬夫
    1995 年 48 巻 3 号 p. 380-388
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ラットを用いてVancomycin (VCM) の150mg/kg及び250mg/kgの14日間静脈内投与に, Latamoxef (LMOX), Flomoxef (FMOX) あるいはCefpirome (CPR) の1,000mg/kg, Fosfomycin (FOM) の250mg/kgを併用静脈内投与し, VCM誘発腎障害に対する他剤併用の影響を検討した。
    VCM単独投与で発現する腎障害は, 形態学的に皮質尿細管の再生像を主徴とし, 150mg/kg投与では半数に極軽度~軽度, 250mg/kg投与では全例で軽度~高度に認められた。臨床検査では, 250mg/kg投与群で尿中LDH及びMDHの明らかな上昇がみられ, 腎組織障害と良好な相関を示した。また, 腎重量増加及び尿中NAG上昇も認められた。一方, 血漿中の尿素窒素及びクレアチニンの変化は軽度で, 尿中γ-GTP, 尿中蛋白は腎障害の指標にならなかった。
    VCM150mg/kgと他剤との併用投与では, VCM単独群でみられた極軽度~軽度な腎組織障害がLMOX及びFMOX併用でみられなくなり, FOM併用でも軽減傾向を示した。CPR併用ではVCM単独群と差がなかった。
    VCM250mg/kgとの併用投与では, LMOX, FMOX及びFOM併用で腎組織障害はVCM単独群に比べ明らかに軽減され, VCM誘発腎障害の指標となる検査項目の明らかな改善によっても支持された。CPR併用では尿中LDH, MDHに軽減がみられたものの, 組織障害も含めた他の指標には併用による修飾は認められなかった。
    以上の成績は, VCM誘発腎障害に対して, LMOX, FMOX及びFOM併用が軽減的に作用し, CPR併用も増強的に作用しないことを示唆した。
  • 岩崎 容明, 辻 明良, 金子 康子, 五島 瑳智子
    1995 年 48 巻 3 号 p. 389-401
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    寒天平板希釈法と微量液体希釈法によりニューキノロン薬Ofloxacin, Ciprofloxacin, Tosufloxacin, SparfioxacinおよびBalofloxacinの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, その比較を行った。グラム陽性菌群・グラム陰性菌群の2種類の感受性試験法で得られたMIC間の1次回帰曲線より相関係数 (r) を求めた。その結果, ニューキノロン薬全体でのグラム陽性菌群における相関係数はr=0.891, グラム陰性菌群における相関係数はr=0.865でいずれも良好な相関が認められた。また, 個々の薬剤について検討したところ, グラム陽性菌群における相関係数はr=0.835~0.919, グラム陰性菌群における相関係数はr=0.815~0.865で, 各薬剤とも良好なMICの相関関係を示した。また, 各回帰曲線の傾きおよび切片の値はグラム陽性菌群内またはグラム陰性菌群内であれば各薬剤とも同様の値を示した。なお, Morganella morganii, Pseudomonas cepacia, Xanthomonas maltophilia, Pseudomonas aeruginosaおよびStreptococcus pneumoniaeではMIC間の相関の見られない株がわずかに認められた。
  • 1995 年 48 巻 3 号 p. 401-
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 植手 鉄男, 松尾 清光
    1995 年 48 巻 3 号 p. 402-408
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) に対してイミペネムとセファロスポリンの併用はこれら薬剤のin vitro抗菌力をお互いに相乗的に増強することが報じられている。しかし, イミペネムと何れのセファロスポリンとの併用が最も強力にMRSAへの抗菌力を増強するかは不明である。ゆえに, 本研究において, イミペネムとセファゾリン, セファロチン, セフォチアム, セファマンドール, またはセフォペラゾンの併用のメチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) およびMRSAへの抗菌力増強を比較した。
    MSSA (9株) およびMRSA (30株) へのin vitro抗菌力 (MIC) をMueller-Hinton寒天培地およびBroth培地希釈法を用いて測定した。併用効果はCheckerboard法により評価した。
    イミペネムと上記セファロスポリンの併用におけるMSSAに対する抗菌力の相乗的増強はセファロスポリンにより差があり, 増強作用の認められる場合とそうでない場合があった。しかし, 拮抗作用は認められなかった。MRSAに対しては, これらのセファロスポリンはセフォペラゾンを除いて大半の菌株 (97%~100%) へのイミペネムの抗菌力を相乗的に増強した。
    吟味したセファロスポリンの中, セファマンドールはイミペネムのMRSAへの抗菌力を最も強力に増強した。次いでセフォチアム, セファロチン, セファゾリンの順に増強効果を示した。イミペネムとセファマンドールまたはセフォチアム併用によるMRSAに対する相乗的抗菌力増強は培地中のNaClの濃度によって有為な影響を受けなかった。
  • イミペネム薬剤感受性研究会
    田部 陽子, 猪狩 淳
    1995 年 48 巻 3 号 p. 409-420
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    全国の123病院臨床検査部で1991年9月から12月に各種臨床検査材料から分離された細菌33,375株についてNCCLSによるK-Bディスク法によって抗菌薬感受性を測定した。対象菌は, 臨床材料からの分離頻度の高い主要細菌26菌種。供試抗菌薬は, 常用抗菌薬32薬剤。
    Staphylococcus aureus, CNSのMethicillin (DMPPC) に対する感性率は低く, Minocycline (MINO) に対して最も高い感性率を示した。Streptococcus pneumoniae, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Haemophilus influenzae, Proteus mirabilisは比較的多くの薬剤に対して高い感性率を示した。Enterococcus faecalisはAmpicillin (ABPC), Piperacillin (PIPc), Imipenem (IPM), Sulfamethoxazole-Trimethoprim (ST) 合剤に高い感性率を示したが, Enterococcus faeciumはST合剤以外の薬剤には耐性株が優位を占めた。Enterobacter cloacaeはIPM, Gentamicin (GM), Ofloxacin (OFLX) に, PrOteus vulgarisはLatamoxef (LMOX), IPM, Aztreonam (AZT), GM, oFLXに高い感性率を示した。Semtia marcescensおよびBacteroides fragilis groupはIPMのみに高い感性率を示した。Pseudomonas aeruginosaはCeftazidime (CAZ), IPM, Amikacin (AMK), Tobramycin (TOB) に, Pseudomonas cepaciaはCAZに比較的高い感性率を示した。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次, 田中 節子, 中根 豊
    1995 年 48 巻 3 号 p. 421-426
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年に検出した臨床分離多数株のβ-ラクタマーゼ産生性を検討して, 以下の結果を得た。
    1. Staphylococcus spp. 5菌種のβ-ラクタマーゼ産生性は, Penicillinase産生を示唆する株が90%程度, Haemophilus influenzaeのそれは“High producer”産生株を含む株が23.0%, そしてMoraxella subgenus Branhamella catarrhalisは“High producer”産生株を含む株が100.0%だった。
    2. Enterobacteriaceae及びBacteroides fragilisg roupのβ-ラクタマーゼ産生性は“High producer”産生株の割合が高かった。
    3. Glucose non-fermentative Gram-negative rodsのβ-ラクタマーゼ産生性には菌種間の差が認められたが,“High producer”産生株が高い割合を示す菌種が一部に認められた。
  • 中川 千尋, 河野 英浩, 佃 守, 澤木 修二
    1995 年 48 巻 3 号 p. 427-431
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎患者18例にCeftriaxone (CTRX) 1gまたは2gを手術の1~5時間前に点滴静注し, 手術時のCTRX血清中濃度および上顎洞粘膜組織内濃度を測定した。さらにこれに臨床薬物速度論による解析を加え, 以下の結果を得た。
    1. 投与開始後1~4時間までは, 時間の経過に関係なく平均して30%前後の高い組織移行率を示した。
    2. 臨床薬物速度論によるコンピューター解析の結果, 上顎洞粘膜内濃度半減期は23.1時間, 血中濃度半減期は8.2時間と長時間であった。
    3. 血中濃度と組織内濃度に相関係数r=0.732で正の相関性がみられた。
    4. 投与後5時間以内の組織内濃度は慢性副鼻腔炎起炎菌に対するMIC濃度より充分高い値を示し, CTRXは慢性副鼻腔炎に対し有用な薬剤であると考えられる。
  • 千村 哲朗, 舟山 達, 村山 一彦, 沼崎 政良
    1995 年 48 巻 3 号 p. 432-436
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    細菌性腟症に対するEcological treatmentとして, Lactobacillus (Yoghurt) の腟内投与の影響について検討し, 以下の成績を得た。
    1. 細菌性腟症と診断した11例 (年令20~60歳) を対象とし, Commercial yoghurt (pH4.3±0.2) を5ml1回のみ腟内に注入し, 投与3日後の腟内性状及び腟内細菌叢への影響を検討した。
    2. 腟内性状では, 帯下量, 腟壁発赤などで改善傾向を示し, 腟内pHで有意な低下を認あた (P<0.05)。腟内細菌叢の変化では, 投与前に29株が検出されたが, 投与3日後ではグラム陰性菌で14/14株が消失した。この結果, 菌消失6/11 (54.5%), 一部残存3/11, 菌交代2/11であった。
    以上の結果より細菌性腟症に対するLactobacillus療法の臨床的効果が示唆された。
  • 小原 康治, 神田 稔久, 松山 秀明, 野口 雅久
    1995 年 48 巻 3 号 p. 437-440
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    オレアンドマイシン (OL) およびOLエステル分解物の1H-と13C-NMRスペクトルの全シグナルとOL2'-リン酸化物の1H-NMRスペクトルの全シグナルをD20中で1H-1Hや13C-1HCOSYNMRのような二次元法やDEPTNMRを使って決定した。これら二つのオレアンドマイシン変化物はエリスロマイシン高度耐性大腸菌二株によって調整された。これらの結果は細菌による新奇不活化OLの構造決定にとって基本的に有用である。
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