1995 年 48 巻 9 号 p. 1093-1118
急性歯性感染症 (歯周組織炎, 歯冠周囲炎および顎炎) に対するAzithromycin (AZM) の有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, Tosufloxacin tosilate (TFLX) を対照として無作為化二重盲検比較試験を実施した。
1. 委員会判定 (3日後統一判定) における有効率はAZM群85.9% (73例/85例), TFLX群78.9% (71例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかったが, 同等性は検証された (P=0.002)。
2. 担当医判定 (最終観察日) における有効率はAZM群87.1% (74例/85例), TFLX群73.3% (66例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.006)。
3. 菌消失率はAZM群975% (39例/40例), TFLX群85.7% (30例/35例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
4. 副作用発現率はAZM群125% (11例/88例), TFLX群5.6% (5例/90例), 臨床検査値の異常変動発現率はAZM群7.1% (6例/85例), TFLX群5.9% (5例/85例) であり, いずれも両群間に有意差は認められなかった。
5. 安全性における「問題なし」の割合はAZM群84.1% (74例/88例), TFLX群90.0% (81例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
6. 有用率 (「極めて有用」+「有用」の割合) はAZM群83.9% (73例/87例), TFLX群72.2% (65例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.025)。
以上の成績から, AZMはTFLXと同様に急性歯性感染症に対し有用な薬剤であると考えられた。