The Japanese Journal of Antibiotics
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急性歯性感染症に対するAzithromycinの薬効評価
Tosufloxacin tosilateを対照とした二重盲検群間比較試験
佐々木 次郎金子 明寛唐木田 一成椎木 一雄坂本 春生内藤 博之山根 伸夫富田 文貞加藤 久視吉田 廣鬼澤 浩司郎遊佐 浩道 健一大野 康亮森 紀美江天笠 光雄吉増 秀實山城 正司大曽根 洋塚越 完子中村 美紀石橋 克禮長島 弘征河内 四郎森鼻 健史橋本 賢二鈴木 浩之田中 英俊山本 忠島田 桂吉中西 孝一市来 浩司吉位 尚石川 武憲田中 浩二井上 伸吾野村 雅久山城 正宏砂川 元喜舎場 学藤井 信男中島 光好島田 馨
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1995 年 48 巻 9 号 p. 1093-1118

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抄録

急性歯性感染症 (歯周組織炎, 歯冠周囲炎および顎炎) に対するAzithromycin (AZM) の有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, Tosufloxacin tosilate (TFLX) を対照として無作為化二重盲検比較試験を実施した。
1. 委員会判定 (3日後統一判定) における有効率はAZM群85.9% (73例/85例), TFLX群78.9% (71例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかったが, 同等性は検証された (P=0.002)。
2. 担当医判定 (最終観察日) における有効率はAZM群87.1% (74例/85例), TFLX群73.3% (66例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.006)。
3. 菌消失率はAZM群975% (39例/40例), TFLX群85.7% (30例/35例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
4. 副作用発現率はAZM群125% (11例/88例), TFLX群5.6% (5例/90例), 臨床検査値の異常変動発現率はAZM群7.1% (6例/85例), TFLX群5.9% (5例/85例) であり, いずれも両群間に有意差は認められなかった。
5. 安全性における「問題なし」の割合はAZM群84.1% (74例/88例), TFLX群90.0% (81例/90例) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
6. 有用率 (「極めて有用」+「有用」の割合) はAZM群83.9% (73例/87例), TFLX群72.2% (65例/90例) であり, 両群間に有意差が認められた (p=0.025)。
以上の成績から, AZMはTFLXと同様に急性歯性感染症に対し有用な薬剤であると考えられた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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