1995 年 48 巻 9 号 p. 1119-1130
新マクロライド系抗生物質Azithromycin (AZM) のヒト糞便内細菌叢に及ぼす影響を, 健常成人男子被験者6名を用いて検討した。
AZM 500mgを1日1回, 3日間連続して経口投与し, 投与前および投与終了翌日から28日まで計5回にわたり糞便の定量培養を行った。被験者により差は認められたが, 投与終了翌日から終了14日目まで好気性菌と嫌気性菌の一部に減少を認めた。特にBifidobacteriumは全例において投与終了翌日から消失し, 回復の遅れが認められた。6例中1例に, 投与終了28日目にClostridium difficileの出現がみられたが, 下痢症状などは, 観察されなかった。