The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるマクロライド系抗生物質Azithromycinの臨床的検討
小林 陽之助木野 稔東野 博彦高屋 淳二原田 佳明河村 有美河崎 裕英長尾 靖子
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1996 年 49 巻 11 号 p. 1004-1012

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抄録

27例の各種小児感染症に対してAzithromycin(AZM)の細粒剤およびカプセル剤による治療を行い, 以下の結果を得た。
1. 体内動態の検討
カプセル剤を投与した2例について体内動態を検討した。
8.3mg/kgを1日1回, 3日間投与した1症例の最終投与から48時間後の血漿中濃度は, 0.033μg/mlであった。
1日1回8.3mg/kg, 12.5mg/kgを3日間投与した2例の96~120時間後の尿中濃度は1.67μg/mlおよび4.53μg/mlであり, 12.5mg/kgを3日間投与した1症例の初回投与から120時間の累積尿中排泄率は10.54%であった。
2. 臨床成績
臨床効果の評価対象となったのは24例であり, 著効7例, 有効14例で, 有効率は87.5%であった。細菌学的効果は Haemophilus influenzaeが分離された2例で起炎菌の消長が確認され, それぞれ消失と減少であった。
安全性の評価対象26例中, 副作用は中等度の暮麻疹1例, 臨床検査値の異常変動は白血1球数の減少1例, 好酸球の増多1例であった。
以上のことから, AZMは小児科領域感染症の治療に有用な抗生物質であると考えられた。

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