The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAzithromycinの基礎的・臨床的検討
奥村 彰久久野 邦義
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1996 年 49 巻 11 号 p. 994-1003

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抄録

新しいマクロライド系抗生物質であるAzithromycin (AZM) 細粒剤およびカプセル剤を原則として10mg/kg (力価), 1日1回3日間投与し, 基礎的および臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
1. 今回の臨床分離株に対するAZMの抗菌力は, グラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり全般的に強い抗菌力を示した。
2. 2例において血漿中濃度の測定を実施し, 最終投与直前の血漿中濃度はそれぞれ0.095μg/ml, 0.204μg/mlであり, 投与終了後48時間において0.017μg/ml, 0.096μg/mlの濃度が検出された。尿中濃度は1例において検討し, 初回投与後24~48時間で5.16μg/ml, 48~72時間で5.63μg/mlであった。
3. 各種小児感染症45例に本薬を使用し, 評価対象38例の有効率は97.4%, 菌の消失率は56.7%であった。
4. 副作用は軽度の嘔吐が1例認められ, 臨床検査値の異常変動は軽度の好酸球増多が4例にみられた。

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