The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域における Azithromycin の基礎的, 臨床的評価
大塚 祐一原田 豊辻 芳郎上原 豊木戸 利彦小林 伸雄林 克敏
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1996 年 49 巻 11 号 p. 1039-1048

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抄録

新しいマクロライド系経口抗生物質 Azithromycin (AZM) について基礎的, 臨床的検討を行った。
1.体内動態
咽頭炎の症例4例にAZM 10%細粒を1回10mg/kg, 1日1回3日間投与し, AZMの血漿中及び尿中濃度を検討した。血漿中からは投与開始96時間後 (最終投与48時間後)においても0,02~0.04μg/ml, 尿中からは投与開始120時間後 (最終投与72時間後) においても3.2~7.7μg/mlのAZMが検出された。
また, これらの症例のうち, 基礎疾患に気管支喘息を有し, Theophyllineを投与されていた2例において, 投与開始48~96時間後ではAZMはTheophylline の血中濃度に影響を与えなかった。
2.臨床成績
呼吸器感染症を中心とする小児の細菌感染症25例に対して, AZM 10%細粒を10mg/kgまたは20mg/kg, あるいはAZM 100mg カプセルを10mg/kg, 1日1回3~6日間投与した。臨床効果は著効6例, 有効13例, 判定不能6例であった。副作用は特に認あられなかったが, 白血球数の軽度減少が2例に認められた。

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