The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域における Azithromycin 細粒及びカプセルの基礎的・臨床的検討
豊永 義清石原 俊秀中村 弘典
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1996 年 49 巻 11 号 p. 981-993

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抄録

新規マクロライド系抗生物質であるAzithromycin (AZM) 細粒剤及びカプセル剤について基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
1.抗菌力
臨床分離菌株に対するAZMのMICはStaphylococcus aureus 0.78~1.56μg/ml, Streptococcus Pyogenes≤0.025~0.10μg/ml, Streptococcus pneumoniae 0.10~039と6.25μg/ml, Moraxell (Branhamella) catarrhali≤0.025~0.39μg/ml, Haemophilus infuenzae .39~3.13μg/ml Haemophilus parainfluenzae0.20~6.25μg/mlに分布していた。
2.吸収・排泄
AZM 10mg/kgを1日1回, 3日間投与した際の血中半減期は28.1~46.1時間であり, 投与開始から120時間後までの尿中排泄率は4,01~8.47%であった。
3.臨床成績
咽頭炎7例, 扁桃炎11例, 気管支炎11例, 肺炎19例, マイコプラズマ肺炎8例, 猩紅熱13例, 感染性腸炎1例, 皮膚軟部組織感染症4例及び中耳炎2例の計76例に対する臨床効果は, 判定不能の1例を除き75例中71例が有効以上であり, 有効率は94.7%であった。 起炎菌の消長が判定できた46例における除菌率は87.0%であった。
副作用症状は1例に中等度の水様便を認めたが, 止痢剤投与にて消失した。 また, 臨床検査値異常は白血球数減少8例, 好酸球増多2例, 血小板数増加1例, GPT上昇1例の計12例に認められたが, 何れも軽度であり臨床的に問題となるものではなかった。

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