1996 年 49 巻 2 号 p. 203-210
抗生物質をプラスチック容器に充填したマルチチャンバーバック方式のキット製品と従来からのガラスバイアル瓶製品とその有用性を比較検討した。試験に供したキット製品 (TMBキット) はプラスチック製バッグを2室に区切り, 1室には主薬であるイミペネム/シラスタチンが他の1室には溶解液である生理食塩水100mlが充填されている。北里大学東病院に勤務する看護婦と薬剤師を対象としてTMBキット製品とガラスバイアル瓶に入った従来からの製品との比較試験を1.溶解調製使用時の印象に基ずいた利便性, 2.溶解調製時間の測定による作業能率の2点について行った。利便性の評価は非常に高かった。作業能率ではTMBキットは従来からの製品に比べ約46~59%の時間短縮が認められた。