The Japanese Journal of Antibiotics
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近年に検出した臨床分離株に対するTosufloxacinの経年的抗菌活性
石原 理加鈴木 由美子田中 節子深山 成美出口 浩一小田 清次中根 豊福本 寅雄
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1996 年 49 巻 7 号 p. 715-742

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抄録

1993年2月~1994年1月, 及び1995年2月~1996年1月に, 当所において収集又は検出した臨床分離株に対するTosufioxacin (TFLX) の経年的抗菌活性を検討することを目的に, 対照薬剤を加えた最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して, 以下の結果を得た。
1. 1980年代に検討された諸家のMIC測定結果によるTFLXのMIC90と比較すると, β-streptococci, Streptococcus pneumoniae, Peptostreptococcus spp., Haemophilus influenzae, Salmonella spp. は同等であるが, 他の菌種のMIC90は上昇していた。
2. 1993年2月~1994年1月検出株と, 1995年2月~1996年1月検出株の比較におけるTFLX耐性株の割合は, staphylococcus spp., Morganella morganii, Providencia spp., Pseudomonasaeruginosa, β-streptococci, S. pneumoniae, 及びPeptostreptococcus spp. のMIC90は低下していたが,. Propionibacterium acnes, Escherichia coli, Kleasiella spp., Proteus spp., Neisseriagonorrhoeae, Bacteroides fragilis groupのMIC90は上昇していた。そして, 双方の年次に検出したいずれにもTFLX低感受性又は耐性H. influenzaeがみとめられた。
3. T肌x耐性グラム陰性菌の大部分は, 他のNQにも耐性を示すNQ耐性株であった。
4. ペニシリン耐性肺炎球菌に対するTFLXの強い抗菌活性が示唆された。

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