The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対するArbekacinの経年的抗菌活性
出口 浩一鈴木 由美子石原 理加石井 由紀子中澤 ありさ松本 好弘西成 千里中根 豊福本 寅雄
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1997 年 50 巻 1 号 p. 1-11

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抄録

1990年~1996年の7カ年間に, 当所において収集または検出したMethicillin-resistant Staptlococcus aureus (MRSA) 700株に対するArbekacin (ABK) の経年的抗菌活性を知ることを目的に, 対象株のコアグラーゼ型別を検討すると共に, ABKと対照薬剤の最小発育阻止濃度を測定して, 以下の結果を得た。
1. 年度ごとに供試したMRSA各々100株に対するABKのMIC分布には,推計学的な有意差は認められなかった。
2. コアグラーゼ型別の分布には経年的な差が認あられた。すなわち, II型は増加が, IV型は減少が示唆された。また, ABKと対照薬剤のMICはコアグラーゼ型により異なる分布を示していた。
3. ABK耐性株 (ABKのMIC値>12.5μg/ml) は各年度に2.0~8.0%認あられたが, ABK耐性株の割合は1980年代の報告, 及び1992年~1993年の全国調査の割合とほぼ同様であった。
ABK耐性株はコアグラーゼII型とIV型及びVII型に多く, ABK耐性株の大部分はGentamicin高度耐性株であった。

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