The Japanese Journal of Antibiotics
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腸管出血性大腸菌O-157感染症の初期治療についての検討, 特に集団発生時の救急外来での治療について
地嵜 剛史日野谷 啓子清水 俊男宮崎 慶子
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1997 年 50 巻 10 号 p. 821-828

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抄録

l996年夏に大阪府堺市で集団発生した出血性腸炎を対象として,初期症状を明らかにし,集団発生時の救急外来での初期治療について検討した。
その結果, 発熱を認める, 末梢血白血球数10,000/μl以上, CRP値1.0mg/dl以上の症例では, HUS発症の危険が大きく, 今後適切な抗菌剤を検討し, 発症早期より使用する必要があると思われた。一方, ほとんどの症例で電解質異常や脱水症は認めず, 集団発生の初期治療において, 輸液は必ずしも必要ないと考えられた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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