The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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50 巻, 10 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • Cefozopranを中心として
    小林 宏行, 守殿 貞夫, 原 耕平
    1997 年 50 巻 10 号 p. 807-820
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 地嵜 剛史, 日野谷 啓子, 清水 俊男, 宮崎 慶子
    1997 年 50 巻 10 号 p. 821-828
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    l996年夏に大阪府堺市で集団発生した出血性腸炎を対象として,初期症状を明らかにし,集団発生時の救急外来での初期治療について検討した。
    その結果, 発熱を認める, 末梢血白血球数10,000/μl以上, CRP値1.0mg/dl以上の症例では, HUS発症の危険が大きく, 今後適切な抗菌剤を検討し, 発症早期より使用する必要があると思われた。一方, ほとんどの症例で電解質異常や脱水症は認めず, 集団発生の初期治療において, 輸液は必ずしも必要ないと考えられた。
  • 出口 浩一, 鈴木 由美子, 石原 理加, 石井 由紀子, 中澤 ありさ
    1997 年 50 巻 10 号 p. 829-843
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1996年7月以降に検出したO-157を含むVerotoxin-producing Escherichia coli (VTEC), Salmonella spp., Vibrio parahaemolyticus及びCampylobacter jejuni subsp. jejuniの薬剤感受性パターンなどを検討して,以下の結果を得た。
    1. VTECにはTetracycline (TC) 及びAmpicillin (ABPC) 高度耐性株が存在していた。そして, VTECに対する最小発育阻止濃度 (MIC) は一部の薬剤においては好気的条件下と嫌気的条件下では大きく異なっていた。すなわち,両条件下におけるMIC-RangeはChloramphenicol (CP) 1.56~3.13μg/ml, 0.78~1.56μg/ml; TC 1.56~>100μg/ml, 0.78~>100μg/ml; Minocy-cline (MINO) 1.56~12.5μg/ml, 0.78~3.13μg/ml; Kanamycin (KM) 3.13~6.25μg/ml, 25~100μg/ml; Fosfomycin (FOM) 3.13~25μg/ml, 0.78~6.25μg/ml; Norfloxacin (NFLX)≤0.025~0.2μg/ml,≤0.025~0.2μg/ml; ABPC 1.56~>100μg/ml, 0.78~>100μg/ml; Cefaclor (CCL)
    1.56~25μg/ml, 1.56~12.5μg/mlであり,嫌気的条件下におけるMICは,CP及びTetracy-c1ines (TCs) は1管差 (2倍) 程度,FOMは2管差 (4倍) 程度低いものの, NFLX, ABPC, CCLの変動幅は少なく, KMのMICは高い値を示した。
    2. Salmonella spp.のCP, TC, MINO高度耐性株,及びNFLX中程度耐性株が存在した。
    3. C.jejuni subsp. jejuniにはTC耐性株,及びNFLXの低感受性または耐性株の割合が高かった。
    4. V. parahaemolyticus及びC. jejuni subsp. jejuniに対するABPCとCCLのMICは耐性域に分布していた。
    5. 文献検索から判明した糞便中濃度は,MINO, KM, FOM, NFLXは除菌効果が期待できる濃度であったが, ABPCとCCLの濃度は極めて低く, 両薬剤感性株のMICを越えていなかった。
  • 中塩 哲士, 岩澤 博子, 飯野 四郎, 嶋田 甚五郎
    1997 年 50 巻 10 号 p. 844-853
    発行日: 1997/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Streptogramin系抗菌薬 RP59500 (Quinupristin-Dalfopristin) のin vitro抗菌力を対照薬Erythromycin (EM), Clarithromycin (CAM), Azithromycin (AZM) およびRoxithromycin (RXM) と比較検討した。
    Methicillin-sensitive Staphylococcus aureusおよびS. epidermidisに対するRP59500のMIC90%はそれぞれ0.5, 0.25μg/mlで対照薬4薬のMIC90%はいずれも32μg/ml以上を示した。Methicillin-resistant S. aureusおよびS. epidermidisに対するRP59500のMIC90%はそれぞれ0.5, 4μg/mlであった。Enterococcus属に対するRP59500の抗菌力は検討薬中最も優れていた。Streptococcus属のうち,S. pyogenes, S. agalactiaeに対するRP59500のMIC90%はいずれも0.25μg/mlで対照薬と同等かいくらか劣る抗菌力を示した。Cloxacillin感受性, 中等度耐性および耐性S. pneumoniaeに対してRP59500のMIC90%はいずれも0.5μg/mlであった。これに対して中等度耐性, および耐性S. pneumoniaeに対する対照のMacrolides薬のMIC90%はいずれも32μg/ml以上であった。Moraxella catarrhalis, Haemophilus influenzaeに対するRP59500のMIC90%はそれぞれ0.5,4μg/mlであった。S. pneumoniae, S. aureusおよびS. epidermidisのEM耐性菌に対してもRP59500はEM感受性に対してと同等の良好な抗菌力を示し交差耐性は認められなかった。S. pyogenes, S. agalactiaeおよびM. catarrhalisを用いてRP59500の最小殺菌濃度(MBC)を測定しMICと比較した結果, MIC90%とMBC90%は一致したことから, RP59500の作用は殺菌的であった。ヒト血清添加によるRP59500のMIC値への影響は20% (V/V) 添加ではほとんど影響がみられなかったが, 50% (V/V) 添加でMIC値が4~8倍上昇した。被験菌の増殖に影響を与えない濃度である1/8MICから10代にわたって段階的薬剤増量試験を行った結果, 被験株3株に対するRP59500のMIC上昇は4倍以内に留まり耐性化し難いことがわかった。S. aureus ATCC25923株を用いてPopulation analysisを行った結果, EM, CAM, AZM, RXMでは0.01%程度の細胞亜集団に耐性株が存在したのに対し, RP59500では耐性株は認められなかった。
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