The Japanese Journal of Antibiotics
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膣内細菌叢と顆粒球Elastase・pH測定の臨床的意義
千村 哲朗
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1997 年 50 巻 5 号 p. 474-478

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抄録

膣内細菌叢と膣内顆粒球Elastase及びpHの関係について, 膣・頸管部分泌物異常を認めた95例 (妊婦49例, 非妊婦46例) を対象とし以下の結果をえた。
1) 膣分泌物中よりの検出菌は, グラム陽性菌87/144 (60.4%)と高く, Lactobacillus sp. 67/144(46.5%)が主要菌種であった。次いで嫌気性菌26/144 (18.1%), 真菌26/144 (18.1%) であった。
2) 主疾患としての頸管炎・膣炎の症例は, 膣部ビラン群に比してElastaseは高い傾向を示した (6.65~6.69μg/ml)。膣内pH>5.0群は, pH<4.5群に比して有意なElastaseの上昇 (6.44±1.40μg/ml) を示した。
3) 検出菌種とElastaseの関係では, Lactobacillus sp.(pH<4.5) 群に比して嫌気性群(6.58±1.40μg/ml), グラム陰性菌群 (6.01±3.61μg/ml), グラム陽性菌群 (5.02±0.94μg/ml), 真菌群 (5.14±1.08μg/ml) ともに高値を示した。膣内pHもLactobacillus sp.群 (4.04±0.04)に比して全群で>4.5を示した。

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