The Japanese Journal of Antibiotics
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注射用ニューキノロン系抗菌薬T-3762の生殖発生毒性試験ラットにおける胎児の器官形成期投与試験
小前 憲久三善 隆広小崎 司古坊 英子河村 泰仁児玉 卓也
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1998 年 51 巻 11 号 p. 682-708

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抄録

注射用ニューキノロン系抗菌薬T-3762の26, 78及び156mg/kg/dayを, ラット胎児の器官形成期に相当する妊娠7日から妊娠17日まで静脈内投与し, 母動物, 胎児及び出生児に及ぼす影響を検討した。
1.母動物については妊娠期間及び授乳期間を通し, 一般状態, 摂餌量, 摂水量及び体重推移にT-3762投与の影響はみられず, 妊娠末期及び離乳時の剖検でも異常はみられなかった。
2.胎児については, 死亡胎児数, 生存胎児数, 性比及び胎児体重にT-3762投与の影響はみられなかった。T-3762投与に起因する外表異常, 内臓異常及び骨格異常はみられず, 骨化進行度にも影響はみられなかった。
3.出生児については, 出生率, 生存率, 外形分化状態, 体重推移, 感覚反射機能, 情動性, 学習能力及び生殖能力にT-3762投与の影響はみられなかった。
以上の結果から, T-3762の母動物に対する一般毒性学的無毒性量及び生殖に関する無毒性量, 並びに次世代児の発生に関する無毒性量は, それぞれ156mg/kgであった。

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