The Japanese Journal of Antibiotics
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マクロライド系抗菌薬の臨床分離株に対する抗菌活性
星野 和夫岩井 有紀中村 貞博瀬戸 勇山口 恵三
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1998 年 51 巻 4 号 p. 249-271

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抄録

1996年9月から12月の間に, 全国325施設から集あられた臨床分離菌, 22菌種535株に対する, マクロライド系薬6剤の抗菌力を微量液体希釈法にて検討し以下の成績を得た。
1. 多くの菌種に対して16員環マクロライドより14員環マクロライドの抗菌力が優れていた。14員環マクロライドではCAM, EM, RXMの順に抗菌力が優れていた。16員環マクロライドではRKMの抗菌力が優れJM, MDMの順に続いた。>100μg/mlの高度耐性株は16員環よりむしろ14員環マクロライドに多く認められた。
2. S. pyogenes (group A) はその多くが感性に分布して耐性は殆ど認められなかった。
3. S. pneumoniaeは感性から高度耐性まで広く分布し, >100μg/mlの高度耐性率は37.1%に達した。
4. Peptostreptococcus spp., MRSAに対しては16員環マクロライドの抗菌力が14員環マクロライドより優れ, その抗菌力はRKM, JM, MDMの順に優れていた。また, >100μg/mlの高度耐性株は16員環よりもむしろ14員環マクロライドに多く認められた。
5. M.(B.) catarrhalisでは多くが≤1.56μg/mlの感性に分布し, H. influenzaeでは中等度耐性から耐性に分布した。
6. M.(B.) catarrhalis, H. influenzaeにおけるマクロライド耐性とβ-ラクタマーゼの相関は認あられなかった。
7. C. jejuniは, 用いた全てのマクロライドに対して多くが感性に分布した

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