1995年1月から1997年3月までに胃炎・胃潰瘍患者から分離した
H. pylori78株の抗生物質 (β-ラクタム系, マクロライド系, テトラサイクリン系, ニューキノロン系), 抗潰瘍薬, metronidazoleの11薬剤に対する薬剤感受性を調べた。
Imipenemの抗菌力が最も強く, すべての株のMICは0.013μg/ml以下であった。AmoxicillinもMIC
90が0.05μg/mlと低く, cefaclorやminocyclineともども耐性菌は認あられなかった。しかしclarithromycin, erythromycin, onoxacin, metronidazole耐性菌がそれぞれ9%, 13%, 8%, 13%の割合で分離された。耐性型で分類すると耐性菌21株の内, 3剤耐性が3株 (14.3%), 2剤耐性が6株 (28.6%), 1剤耐性が12株 (57.1%) であった。Erythromycin耐性菌10株の内, clarithromycinに交差耐性を示す株が7株と, 交差耐性を示さないclarithromycin感受性菌が3株認められた。これは両薬剤の
H. pyloriに対する抗菌活性の強さの差を反映していると思われる。
IansoprazoleはomeprazoleやfamotidineよりもMIC
90で8分の1および16分の1以上低い値の強い抗菌活性を示した。
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