抄録
東邦大学附属大森病院において1995年-1997年に臨床材料より分離された5菌種, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), methicillin-resistant S. aureus (MRSA), Klebsieua pneumoniae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaについてカルバペネムを中心としたβ-ラクタム系抗菌薬の抗菌力の年次推移を検討した。また, その他に主要な菌種についても1997年に臨床材料より分離された菌株を用いて抗菌力を検討した。
検討した5菌種においてカルバペネム系抗菌薬はいずれも著明な耐性化の上昇傾向は認められなかった。MRSAに対するカルバペネム系抗菌薬の抗菌力は弱く, MIC90値は25-50μg/mlであった。
近年メタロβ-ラクタマーゼの産生により高度耐性化が問題となっているS.marcescens, P.aeruginosaにおいて, 年次的な感受性の変化はいずれの薬剤においても認められなかった。特にP.aeruginosaにおいてカルバペネム系抗菌薬のMIC90値は12.5-25μg/mlで, ceftazidimeとほぼ同等であり, PIPCと比較して4-8倍優れていた。
また, 臨床上問題となる主要な16菌種においてもカルバペネム系抗菌薬は, グラム陽性菌からグラム陰性菌までいずれの菌種においても幅広く優れた抗菌力を示した。