The Japanese Journal of Antibiotics
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広島市内8施設より分離された臨床分離株のニューキノロン剤を中心とした主要経口抗菌剤に対する薬剤感受性成績
広島レボフロキサシン感受性調査研究会
藤上 良寛桑原 正雄室木 邦生板羽 秀之佐々木 恵美重光 昌信小原 忠博山崎 雅昭鬼村 賢太郎樫山 誠也
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2000 年 53 巻 6 号 p. 409-421

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抄録

ニューキノロン剤を中心とした主要経口抗菌剤の耐性状況を把握する目的で, 広島市内とその近郊の総合病院および検査センターなど8施設の臨床分離株11菌種3050株について, 薬剤感受性サーベイランスを実施した。使用した抗菌剤は, ニューキノロン3剤, β-lactam5剤, minocyclineおよびclarithromycinの計10剤である。
グラム陽性菌のニューキノロン剤に対する感受性は, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Enterococcus faecalisで非常に劣っていたが, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), Streptococcus pneumoniaeは優れた感受性を示した。一方, グラム陰性菌のニューキノロン剤に対する感受性ではPseudomonas aeruginosaの耐性化が進んでいたが, 腸内細菌やHaemophilus influenzaeでの耐性化はそれほど著明ではなく, ほぼ良好な感受性を保っていた。
耐性菌の出現を少なくするために適正な抗菌剤の選択がもとめられており, 地域での薬剤感受性調査は今後とも重要となるであろう。

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