The Japanese Journal of Antibiotics
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53 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 山口 恵三, 宮崎 修一, 樫谷 総子, 岩田 守弘, 神田 誠, 辻尾 芳子, 渡辺 直樹, 上原 信之, 貝森 満大, 川村 千鶴子, ...
    2000 年 53 巻 6 号 p. 387-408
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1998年に日本国内26施設から分離された臨床分離菌株5,180株の抗菌薬感受性サーベイランスを, フルオロキノロン系抗菌薬を中心にして実施した。 使用した抗菌薬はフルオロキノロン系4抗菌薬, β-ラクタム系13抗菌薬, minocycline, chloramphenicol, clarithromycin, gentamicin, amikacin, sulfamethoxazole-trimethoprime, vancomycinの24薬剤である。
    Enterococci, methicillin-resistant staphylococci, 尿路系感染症由来のPseudomonas aeruginosaではフルオロキノロン系抗菌薬耐性株の割合が多かった。 しかし, penicillin-resistant株を含むStreptococcus pneumoniae, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus, Moraxella catarrhalis, the family of Enterobacteriaceae, ampicillin-resistantを含むHaemophilus influenzae において, フルオロキノロン系抗菌薬耐性株はほとんど検出されなかった。 また, 呼吸器感染症由来P. aeruginosaの約90%はフルオロキノロン系抗菌薬に対し感性であった。
    以上, 今回のサーベイランス成績からフルオロキノロン系抗菌薬は呼吸器感染症をはじめ各種感染症原因菌に有効であることが示された。
  • 広島レボフロキサシン感受性調査研究会
    藤上 良寛, 桑原 正雄, 室木 邦生, 板羽 秀之, 佐々木 恵美, 重光 昌信, 小原 忠博, 山崎 雅昭, 鬼村 賢太郎, 樫山 誠也
    2000 年 53 巻 6 号 p. 409-421
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン剤を中心とした主要経口抗菌剤の耐性状況を把握する目的で, 広島市内とその近郊の総合病院および検査センターなど8施設の臨床分離株11菌種3050株について, 薬剤感受性サーベイランスを実施した。使用した抗菌剤は, ニューキノロン3剤, β-lactam5剤, minocyclineおよびclarithromycinの計10剤である。
    グラム陽性菌のニューキノロン剤に対する感受性は, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Enterococcus faecalisで非常に劣っていたが, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), Streptococcus pneumoniaeは優れた感受性を示した。一方, グラム陰性菌のニューキノロン剤に対する感受性ではPseudomonas aeruginosaの耐性化が進んでいたが, 腸内細菌やHaemophilus influenzaeでの耐性化はそれほど著明ではなく, ほぼ良好な感受性を保っていた。
    耐性菌の出現を少なくするために適正な抗菌剤の選択がもとめられており, 地域での薬剤感受性調査は今後とも重要となるであろう。
  • 土崎 尚史, 石川 淳, 堀田 国元
    2000 年 53 巻 6 号 p. 422-429
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    PCRによるMRSAおよび腸球菌の遺伝子の検出を迅速, 簡便に行なう新たな方法として, DNA抽出操作無しにコロニから菌体を直接反応液に添加するPCR法 (コロニPCR法) を検討した。その結果, 添加する菌量を反応液20μl当たり約103~104cfuの範囲内にすること, および高性能のDNA Polymeraseを使用することによって再現性の良い結果が得られることを見出した。具体的には, 寒天平板上のコロニに滅菌爪楊枝の先をわずかに接触し, それをPCR反応液 (KOD-Plus-DNA Polymeraseおよびマルチプレックスプライマ含有) にタッチ (あるいはPCRチュブの底にタッチしてから反応液を添加) し, 95℃・3分→ (95℃・30秒→50℃・30秒→72℃・60秒) ×30サイクルの条件でPCRを行なった。このコロニPCR法により, ABK耐性のMRSA菌株および腸球菌を用いてmecA遺伝子とABK耐性遺伝子aac (6') /aph (2') の有無を迅速かつ容易に検出することができた。
  • 守殿 貞夫, 荒川 創一, 松井 隆, 伊藤 登, 篠崎 雅史, 辻 功, 源吉 顕治, 川端 岳, 水野 禄仁, 岡本 恭行, 梅津 敬一 ...
    2000 年 53 巻 6 号 p. 430-450
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症に対する cefozopran の効果を cefPirome を対照薬剤とし, 治療開始早期における原因菌の消失速度および新しい評価基準 (UTI基準) による臨床効果を比較検討することを目的とした臨床試験を行った。 用法・用量は, いずれも1回1gを1日2回点滴静注し, 投与期間は5日間とした。 CZOP群およびCPR群へは無作為に割り当てた。
    成績は以下のとおりであった。
    1. 総投与症例80例中, 有効性評価対象例は65例 (CZOP群32例, CPR群33例) であった。
    2. UTI基準に準拠した判定による総合臨床効果の有効率はCZOP群90.6% (29/32), CPR群90.9% (30/33) でほぼ同等の成績であった。 これらの主治医の臨床効果は有効率でCZOP群93.8% (30/32), CPR群90.9% (30/33) で両薬剤群間に有意な差は認められなかった。
    3. 膿尿に対する改善率は投与2日目でCZOP群26.7%, CPR群0%であり, CZOP群の改善率が有意に高かった (p<0.05) 。 投与終了後ではCZOP群59.4%, CPR群54.5%と有意差はなかった。 また, 細菌尿の陰性化率においても有意差は認められなかった。
    4. 投与開始2日目と投与終了後の細菌学的効果では, 両薬剤とも各々90%以上の菌消失率であり, 有意な差は認められなかった。
    5. 副作用はCZOP群で39例のうち1例 (2.6%), CPR群で41例のうち1例 (2.4%) にみられた。 臨床検査値異常変動はCZOP群39例のうち8例 (20.5%), CPR群41例のうち11例 (26.8%) に認められたが両群問に有意差はなかった。
    以上の成績よりCZOPは膿尿の早期改善をもたらし, CPRと同様, 複雑性尿路感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられた。
  • 2000 年 53 巻 6 号 p. 453-477
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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