The Japanese Journal of Antibiotics
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PiperacillinとFurosemide併用時のラットにおける腎毒性試験
堀 りつ子島倉 雅子荒俣 陽子木澤 和夫野沢 公高畑 正裕南 新三郎
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2000 年 53 巻 8 号 p. 582-591

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抄録

Piperacillin (PIPC) とFurosemideを併用投与したときの腎毒性増強の有無についてラットを用いて検討した。対照薬としてCephaloridine (CER) を用いた。PIPC1600mg/kgの静脈内単回投与で, 尿, 血液および病理学的検査における異常は認められなかった。Furosemide100mg/kgの静脈内単回投与では, 尿中NAGの増加, BUNおよび血清クレアチニンの上昇が見られ, 近位尿細管に軽度の変性も認められた。PIPCとFurosemideの併用投与ではBUN, 血清クレアチニンの上昇および近位尿細管の変性が認められたが, これらはFurosemide単独投与時と同程度であった。これに対し, CERでは1600mg/kgの静脈内単回投与により, 尿中蛋白量の増加, BUNおよび血清クレアチニンの上昇, 近位尿細管の中等度の変性, 壊死が認められた。これらの腎毒性はFurosemideと併用することにより, さらに増強された。以上, CERとFurosemideの併用により, 腎毒性が増強されたが, PIPCとFurosemideの併用では, 腎毒性の増強は認められなかった。

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