The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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耳鼻咽喉科・頭頚部外科領域における術後感染予防についてのアンケート報告
品川 長夫鈴木 賢二小田 恂石塚 洋一山中 昇川内 秀之夜陣 紘治黒野 祐一岩井 重富横山 隆竹山 廣光
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2003 年 56 巻 1 号 p. 15-26

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抄録

アンケート調査 (回答率: 61.9%) の結果, 術後感染予防についての耳鼻咽喉科医の認識は以下のようにまとめることができた。すなわち, 感染予防薬の選択基準は,(1) 手術時に汚染すると予想される細菌 (ブドウ球菌属, Pseudomonas aeruginosa, Bacteroides fragilis group) に対して抗菌力を有する薬剤を選ぶ,(2) 汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成される薬剤を選ぶ,(3) 重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない,(4) 術後感染症の治療薬として新しい薬剤は残しておく, などであった。また, 術後感染が疑われる場合には, 早期治療として予防薬を中止し, 予防薬とは交叉耐性を持たない薬剤に変更する。感染予防として使用される薬剤は, 無菌手術ではcefazolin (CEZ) の頻度が最も高く, 次いでcefotiam (CTM), piperacillin (PIPC) であり, 準無菌手術ではCEZ, flomoxef (FMOX), CTMの順で選ばれた。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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