The Japanese Journal of Antibiotics
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溶連菌による咽頭炎に対するClarithromycinとCefdinirの臨床学的効果ならびに細菌学的検討
西村 忠史杉田 久美子谷口 恭治植村 隆原田 佳明木野 稔森川 嘉郎
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2003 年 56 巻 4 号 p. 281-288

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抄録

溶連菌咽頭扁桃炎の小児外来患者65例を対象に, Clarithromycin (CAM) とCefdinir (CFDN) の臨床効果と安全性を検討した。抗原陰転および「日本化学療法学会小児科領域抗菌薬臨床試験における判定基準」に基づいて判定したところ, 有効以上はCAM群26例 (有効率78.8%), CFDN群27例 (87.1%) であり, 両群間に有意差を認めなかった。細菌学的検討では, 菌消失率はCAM群で94.7%, CFDN群で93.8%であり, 両群間に有意差を認めなかった。CAM, CFDNに対する薬剤感受性は良好であった。有害事象は両群で中等度の下痢が1例ずつ認められたが, 試験薬の投与継続中に軽快した。以上の結果から, 溶連菌咽頭扁桃炎の小児外来患者では, マクロライド系抗菌薬CAMとセフェム系抗菌薬CFDNの臨床効果と安全性は高く, かつ同等であることが示唆された。

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