The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
ISSN-L : 0368-2781
小児A群溶血連鎖球菌感染症に対するcefditoren pivoxil7日間投与の効果
坂田 宏
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 60 巻 5 号 p. 257-263

詳細
抄録

2006年10月から2007年4月までに, A群溶血連鎖球菌 (GAS) 感染症の12歳以下 (平均6.2±2.2歳) の90名の小児に対してcefditoren pivoxil (CDTR-PI) を原則的に3mg/kgを1日3回7日間投与し, 臨床効果, 除菌率, 再燃の有無を検討した。分離された90株のT血清型は1型が45株 (50.0%) と最も多く, 次いで28型の19株 (21.1%), 12型が10株 (11.1%) であった。5名が再受診せず, 6名が投与終了後1週以内に来院しなかったため79名で臨床効果および細菌学的効果を判定した。対象としたすべての児で臨床所見の改善を認めたが, 4名 (5.1%) で投与終了時にもGASが検出された。合併症と再燃を観察した78名中7名 (9.0%) で再燃が確認された。合併症を発症した児は認めなかった。再燃は投与終了後4-20日に発症しており, 投与終了時にGASが残存していた児が2名含まれていた。除菌ができなかった児, 再燃した児においてCDTR。PI投与前後でのGASのT血清型, PFGEパターンは一致していた。副作用として1名 (1.2%) に下痢が認められた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
前の記事 次の記事
feedback
Top