Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
嫌気性培養下に於ける線維芽細胞内ライゾゾームの変化
水野 昇小川 和朗岡本 道雄
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 21 巻 3 号 p. 455-462

詳細
抄録

鶏胎心及び仔犬小脳皮質を回転管法により培養し, 出現した線維芽細胞を用いて, Schoettensack 改良法により得た嫌気性環境が lysosomes に及ぼす影響を, 酸性ホスファターゼを指標として追究した.
該環境下に於いて, lysosomes は, 既に24時間後に著明に減数する事が認められたが, 同時に, 酸性ホスファターゼ陰性の変性顆粒 (燐脂質顆粒) の増大, および増数がみとめられた. これらの事実は, anoxia が lysosomal enzymes の releaser になると云う de Duve 等の主張を, 細胞化学的に支持するものの様である.

著者関連情報
© 国際組織細胞学会
前の記事
feedback
Top