Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
発育途上の齧歯類の四肢長管骨及び関節の諸種酵素の活性に関する組織化学的研究
高田 和彰吉木 周作岡本 次郎
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1962 年 22 巻 4 号 p. 317-327

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抄録
齧歯類の発育途上の長管骨, 関節の骨及び軟骨組織の新鮮凍結切片を作製し, 諸種酵素の活性の証明を行ない次の結果を得た.
1. アルカリ性ホスファターゼの検査では, 骨端部の増殖細胞層と, 肥大細胞層に強い活性が認められ, また骨梁の表面に中等度の活性が認められた.
2. 酸性ホスファターゼでは, 骨梁に強い活性が認められ, 増殖細胞層と, 肥大細胞層には活性が認められなかった.
3. エステラーゼは, 石灰化しつつある部の基質に強い活性が認められ, また軟骨部全般にわたりその活性が広く認められた.
4. グリコシダーセの活性もまた広く骨, 軟骨全般に認められたが, とくに骨梁に強く, また軟骨細胞にも比較的強く認められた.
5. コハク酸脱水素酵素の活性は全般にわたり他の酵素に比して弱いが, よく骨梁にその活性が認められた. なお軟骨細胞の増殖細胞層と肥大細胞層にも活性が認められた.
6. アミノペプチダーゼは, 骨膜に弱い活性が認められる程度であった.
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© 国際組織細胞学会
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