抄録
1. 正常の成人骨組織のハヴァース層板系の偏光像とミクロレントゲノグラムを比較検討し, 5型に分類した.
2. 正常の8カ月胎児の骨組織内に, ハヴァース層板系の原型と考えられる骨単位が始めて出現することを認めた.
3. 胎児の骨組織の複屈折曲線の分析によると, 胎児骨はミセル間隙が大で, しかも骨塩の量も少ない. しかし加令的に骨塩が沈着するに従つて両者の量的差異は接近してくる. そのほか膠原線維と骨塩の量は加令的に増加することが判明した.
4. 3種類の代表的骨疾患の骨組織の変化を偏光顕微鏡法とミクロレントゲノグラフィーにより検索した.