Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ヒト骨層板系の偏光顕微鏡的研究補遺
第2報 骨蛋白除去に際しておこる骨組織変化の偏光顕微鏡的検索, ならびに Kieler Knochenspan の蛋白残渣について
山本 吉藏
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1970 年 32 巻 2 号 p. 133-143

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抄録
1. グリセリンーカリ煮沸と過酸化水素水浸軟法を用いて骨蛋白の除去をおこなうと, 蛋白はハヴァース層板系の辺縁よりハヴァース管に向かつて除去されるのでなく, 逆にハヴァース管より外側辺縁に向かつて除去されていく.
2. 厚さ約100μのヒト骨研磨標本が完全に脱蛋白されるためには, グリセリンーカリ煮沸で25分以上, 過酸化水素水浸軟法で6日以上を要する.
3. Kieler Knochenspan は一般に脱蛋白骨であると考えられているが, 偏光顕微鏡によつて検索すると, 未だ多量の骨蛋白を含有している.
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© 国際組織細胞学会
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