1972 年 34 巻 3 号 p. 231-244
ラット大脳皮質の第六層の灰白質に存在する 稀突起膠細胞, 星状膠細胞および微小膠細胞の形態と比率が 光学および電子顕微鏡により明らかにされるとともに, 脳梁の白質における それらの結果と比較された.
およそ50%を占めていた稀突起膠細胞は 脳梁におけるよりも少なく, 濃淡の幅も狭くなっていたが, 明調, 中間調および暗調の3種類の細胞の存在は確認された. 星状膠細胞は 約35%に達し, 脳梁におけるより増加していたが, 細胞質内の膠細胞線維は短く, 少量であった. 間質性微小膠細胞は脳梁における比率の2倍に増加していたが, 単位面積当りの出現頻度は両者ともに同一値であった. 周皮性微小膠細胞は, これらより低い頻度で観察された.