Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ナメクジウオの腸に存在する内分泌細胞について. 電子顕微鏡による研究
片岡 勝子藤田 尚男
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1974 年 36 巻 5 号 p. 401-406

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抄録

ナメクジウオ中腸後部の上皮内に2種類の内分泌細胞 (I型, II型) が同定された. 両細胞ともに背の高い円柱状で, 細胞の先端は腸の内腔に, 基底部は基底膜に面している. 細胞の基底部と核上部には多数の分泌顆粒が含まれる.
I型内分泌細胞は直径約150mμおよび300∼400mμの2種の顆粒をもっている. 小型の顆粒は分泌顆粒で, その内容は開口方式によって細胞基底部から上皮下の結合組織に放出される. 大型の顆粒の性質や, それと小型の顆粒との関係は明らかにできなかった.
II型細胞は直径300∼400mμの分泌顆粒をもっているが, その分泌形式については証明できなかった.

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© 国際組織細胞学会
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