Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
培養によるヒト内皮細胞の観察
山本 硬治
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1979 年 42 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
培養内皮細胞の日令変化を 位相差顕微鏡, 位相差顕微鏡映画 および電子顕微鏡で観察した.
光学顕微鏡によると, 培養細胞は多角形を示し, 単層のコロニーを形成するが, 10日から14日目になると細胞は線維芽細胞様の細長い形をとる. 有糸分裂による細胞増殖は位相差顕微鏡映画で観察できず, むしろ 細胞増殖時期に 多数の二核細胞がコロニー周辺に存在し, 二核細胞の無糸分裂による細胞増殖を強く示唆している.
電子顕微鏡によると, 培養細胞に内皮特殊顆粒と2種のフィラメント (直径約120Åと65Å) が認められた. 細いフィラメントは 培養細胞の運動に関与する収縮要素であろうと考えられる.
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© 国際組織細胞学会
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