抄録
種々の脊椎動物の血液と骨髄液の塗布が Pappenheim 氏全視法 (May-Giemsa 氏法) で染められ, 輪状核を持つ白血球の有無と多少が検せられ, それと白血球の形態との関係が観察せられた. 輪状核数の比較は大孔輪状核のみについてするのが無難である.
鳥類, 爬虫類, 兎では大孔輪状核は全く見られず, 有蹄類では甚だ稀に見られ, 霊長類や食肉類では全特殊球のほぼ0.3%に, 両棲類では甚だ多くて全特殊球の1%以上に見られる. 鼠族では特殊球のみならず多くの好酸球が大孔輪状核を持つ. 大孔輪状核を持つ好酸球は鼠族以外の動物には見られない.
大孔輪状核は血液よりも骨髄に多い.
大孔輪状核は一般に胞形質の粒子が粗大な白血球や核が分離し易い白血球には現れ難く, 腸詰様の核を持つ白血球に現れ易いと云える.
動物の種類により白血球の大さに往々大差があり, 塗布された白血球の面積の甚だ大きいものは甚だ小さいものの50倍であることが注意された