Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
蝙蝠肛門外皮帯の知覚神経分布に就て
新妻 正助野崎 一男小松 誠沼田 透
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1955 年 9 巻 3 号 p. 343-348

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抄録

蝙蝠肛門の外皮帯は中間帯に続く内帯と外肛門括約筋を覆っている外帯とから成り, 前者は毛嚢を有せず巨つ小乳頭を有するから, 之に対する知覚線維は少量ではあるが, 表皮下に進み, ここに其終末を形成する. 但し終末は甚だ単純で, 概ね非分岐性及び単純性分岐性終末で表わされる. 又人肛門外皮帯では多数の陰部神経小体が見られるが, 蝙蝠では中間帯に直接する外皮帯内帯の1局部に限って小量に発見されるに過ぎない. 外帯では毛嚢腺に富んだ毛嚢が存在することによって知覚線維は専ら毛嚢頸の毛髮神経楯及管に単純性叢状終末として終り, 更に乳頭層にまで進んで終末を形成するものは極あて少い.

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© 国際組織細胞学会
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