物理教育通信
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気体分子の位置座標の平均値の重力による変化
石﨑 喜治
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2021 年 184 巻 p. 66-69

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抄録

2020 年 11 月の例会(Zoom によるオンライン)で,勝田氏(筑波大学附属高校)は「気体分子運動における重力の効果」を発表された。それは,熱平衡の状態において重力が無視できない場合の気体分子運動を検討している。その結論は,分子の鉛直方向の分布の平均値は重力が無視できるときよりも大きく(高く)なる,というものであり,信じられない結論*(編集委員会の(注)*あり)であった。改めて検討した結果,勝田氏の結論は誤りであり,鉛直方向の分子の分布の平均値は,小さく(低く)なるという結論に至った。本稿では,その検討内容を示す。 水平な地表面にxy軸,鉛直上向きにz軸をとり,気体の絶対温度をT,ボルツマン定数をkとする。鉛直方向の分子の分布の平均値 <z> の分子の質量 m,重力加速度 g の依存性を見ていく。

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