2021 年 185 巻 p. 59-65
本稿ではまず,物体にはたらく力を表現する方法の1つである “ Free-Body Diagram ” とは何か,そしてその教育的意義を述べる。次に,“ Free-Body Diagram ” に は,いくつかの形式が存在することを,先行研究とともに紹介する。さらにそれらの 形式を,力の作用点の扱いに注目しながら比較し,授業での扱いについて議論する。 物体に力がはたらいている状況を質点モデルに落とし込むまでの思考プロセスには, 複数の段階があり,なおかつ多くの前提知識が必要であることを指摘する。そして, 今後の授業で取り入れるべき支援の方法を探る。