物理基礎の最初に行う生徒実験として、一昨年(2019 年)度と今年(2021 年)度は 「滑車を介した台車の運動」を行った(昨年度は担当せず)。この段階では、もちろん 力について未習であるから、おもに等加速度運動など、起こった運動を表現し、その 特徴を考察することにいったんは主眼を置くことになるわけだが、一方で、その後の 力の議論とも密接に関係してくるような内容を含むように意識した。 本報告では、今回の実験を通して生徒たちがどのように感じ、考えたのか、その まとめを示すとともに、実際に行った授業展開を紹介し、本実践の意義を考察する。 「力学の序盤の実験の在り方」について考える一助になれば幸いである。