抄録
7〜8本のコナラの新鮮丸太およびそれらを冷凍または水浸したものを用いたトラップでカシノナガキクイムシとキクイムシ科を捕獲した。カシノナガキクイムシでは,丸太を用いていない空のトラップといずれの丸太でも捕獲数に差はなかった。しかし,キクイムシ科のザイノキクイムシ族の捕獲数は,いずれの丸太でも空よりも有意に多かった。次に水浸丸太を用いたトラップと丸太の代わりに塩ビパイプを用いたトラップで捕獲したが,カシノナガキクイムシの捕獲数は両者の間で差がなく,ザイノキクイムシ族は丸太で有意に多かった。仮に,カシノナガキクイムシに寄主からの臭いに対する反応があるとしても非常に弱い予想され,これを野外試験で検出するのは困難と考えられた。