新型コロナウイルス(以下、COVID-19)感染症の感染拡大の中、新たに開発されたワクチンの接種が開始された。しかし、全国民に接種するためには、人員的かつ時間的制約など様々な問題が生じている。そのような現状下で、薬剤師の職能を発揮するためにワクチンの取扱いに専門的知識を有し、調製手技の専門家でもある薬科大学の実務教育の教員が地域の薬剤師会と協議し、ワクチンの性質および取り扱い方法、注射バイアルの希釈・分注等の調製手技の講義を含めた研修会を実施した。その結果、研修会参加者の90%以上がワクチン集団接種会場で、ワクチンの希釈および分注を行っていた。このことから、学術教育研究の専門家である大学教員が主体となって研修会を実施することで、研修会に参加した薬剤師が安心して知識や技能の習得を可能とし、実際にワクチン集団接種会場で責務を果たせていることから、非常に意義のある研修会であったと考えられた。