アプライド・セラピューティクス
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薬科大学、地域薬剤師会および企業の三団体協働でのワクチン注射研修会の実施とその効果の検証
石村 淳 池下 暁人小湊 英範樋口 知久細田 真代前田 智司大野 昭司松田 佳和
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2022 年 17 巻 p. 78-82

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抄録

新型コロナウイルスは、感染力が強く、世界中に感染者が数ヶ月で広まった。そこで我が国では、ワクチン接種希望者に対し、迅速にワクチン接種を提供できる体制を整備することを目的として、ワクチンの打ち手に様々な医療従事者の参加が考えられ、薬剤師も検討対象となった。しかし、特例で歯科医師は認められたものの、薬剤師は認められなかった。このような背景から、現行法上で薬剤師が職能を発揮する方策を考え、薬科大学、地域薬剤師会および企業の三機関が協働で研修会を実施した。さらに、研修会の参加者に注射手技およびワクチン等に関する知識と研修会の満足度についてのアンケート調査も行った。 アンケートは、研修会の参加者46名のうち45名(97.8 %)から回収した。注射手技およびワクチン等に関する知識の設問では、研修前と研修後で比較すると研修後では知識の向上が認められた。また、研修会の満足度では、全員が「満足」と回答した。 以上のことから、現行法上、薬剤師が職能を発揮する方策の1つとしては、注射手技およびワクチン等に関する知識を習得し、患者からの相談に応じることで、患者のワクチン接種に対する不安を解消し、接種率の向上に努めることが重要であると考えられた。したがって、研修会の取り組みを今後も継続していくことで、薬剤師として社会貢献に努めていきたい。

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© 2022 日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
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