アプライド・セラピューティクス
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産後2週間の産褥婦における睡眠導入剤の使用実態調査
野元 玲奈手島 慶子小西 麗子向井 啓小森 浩二河田 興
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2025 年 20 巻 p. 32-40

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抄録
本邦における産褥期の睡眠導入剤の使用実態は明らかでない。産後2週間までの早期産褥期における睡眠導入剤の使用実態を調査して処方理由や有害反応出現と合わせて検討した。2022・2023年において愛仁会高槻病院で分娩後2週間以内に睡眠導入剤を内服した産褥婦を対象に、その背景と睡眠導入剤、エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)、有害反応について、診療録を用いて後方視的に調査した。 分娩1893例のうち52名(2.9%)が産後2週間以内に睡眠導入剤を使用していた。対象の平均年齢は33.2歳で、帝王切開は38名(73.1%)であった。睡眠導入剤の使用理由は「不眠」と「不安」を合計すると42名(80.8%)であった。睡眠導入剤は48例が1剤、2例で2剤併用、2例で変更があった。使用された56剤ではゾルピデムの使用数(割合)が最も多く、35剤(62.5%)であった。ブロチゾラム10剤(17.9%)、レンボレキサント6剤(10.7%)、エスゾピクロンは3剤(5.4%)、スボレキサントとエチゾラムは1剤(1.8%)であった。2週間健診、1ヶ月健診のいずれかでEPDSが9点以上の人は18名(42.9%)であった。有害反応は分娩前からゾルピデムの処方があった例で児の無呼吸、レンボレキサント例にふらつきが各々1例みられた。 安全性情報の充実と共に、母児にとってより安全な睡眠導入剤の使用が望まれる。
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© 2025 日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
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