失語症研究
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原著
ポジトロンCTを用いた,言語活動に伴う脳の賦活の研究
—正常例と軽度の失語症例との比較—
川島 康宏柴崎 尚大江 千廣
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1992 年 12 巻 4 号 p. 303-312

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抄録

    ポジトロンCT (C15O215O2持続吸入法) を用いて,障害を持つ脳の賦活の研究を行い,正常例と軽度の失語症を有する脳腫瘍2例の結果を比較し,この検査の持つ意義を検討した。課業 (前日に体験したことを想い出しながら喋る) に伴う,局所脳血流量,局所脳酸素代謝率の変化を調べ,賦活の指標とした。本課業により,正常人では左側シルビウス裂周辺の言語野のみならず,右側も含め,広範な脳の賦活が見られた。失語症例では,左側シルビウス裂周辺の賦活は正常例に比し不良であったが,運動前野や補足運動野の賦活は比較的保たれていた。本検査法は脳の統合機能および,障害を有する脳の可塑性の研究に有用と考えられた。

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© 1992 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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