失語症研究
Online ISSN : 1880-6716
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ISSN-L : 0285-9513
原著
失語症患者の実態報告
—石川県失語症友の会実態報告—
能登谷 晶子室野 亜希子山田 由貴子四十住 縁
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キーワード: 失語症, 実態報告
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1999 年 19 巻 2 号 p. 107-113

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抄録

石川県失語症友の会は創立 20周年記念事業の1つとして,会員ならびにその家族に対して実態調査を言語聴覚士が行い,以下の結果を得た。失語症の原因別内訳では,対象者 118名中 94.1%が脳血管障害によるものであった。失語のタイプは,運動失語が 47.0%,感覚失語が 14.8%,全失語が 11.3%であった。失語の重症度は,重度が 28.3%,中度が 38.7%,軽度が 33.0%であった。会員の現在の年齢構成は,60歳代がもっとも多く,50~80歳代で全体の 86.4%を占めていた。職場復帰を果たしていた会員は全体のわずか 9.4%にすぎなかった。以上の結果は,日本失語症学会が行っている実態調査と同じ傾向を示していた。石川県の失語症患者は,移動手段においてもコミュニケ-ションの側面からも社会活動が狭められた状況下にあると推測された。

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© 1999 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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