失語症研究
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原著
軽度アルツハイマー病患者の談話の特徴
—情景画の叙述ならびに手順の説明課題から—
本多 留実松浦 晴美高月 容子綿森 淑子鎌倉 矩子
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2001 年 21 巻 2 号 p. 152-161

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抄録
アルツハイマー病 (AD) 患者の談話から聞き手が受ける異質な印象を明らかにするために,軽度AD患者の談話の特徴を,高齢健常者,失語症患者との比較で検討した。軽度AD患者,高齢健常者,失語症患者 15名ずつに,情景画の叙述課題および手順の説明課題を実施し,得られた談話を,課題の「理解」,課題への「取り組み」,「主題の表出」,「推測」による情報の付加,課題からの話の「逸脱」,手順に必要な「ステップの表出」,順序立てた説明の「構成」などの項目を含む,新たに作成した評定法を用いて分析した。その結果,ほぼすべての項目について,軽度AD患者の談話と高齢健常者の談話との相違がみられた。また,「理解」,「取り組み」,「逸脱」などの項目については,AD患者の談話と失語症患者の談話との相違が明らかになった。
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© 2001 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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