失語症研究
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シンポジウム
東京都実態調査の結果から
本田 哲三
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2002 年 22 巻 3 号 p. 200-205

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抄録
東京都では高次脳機能障害者の実態調査を実施した。対象は成人の高次脳機能障害者 (痴呆を除く) で都内の 372施設に調査票を送付し報告を求めた。報告障害者数は 1,234名で,原疾患は脳血管障害が 983名 (79.7%) ,ついで頭部外傷 10.1%であった。もっとも多い障害は失語症で 56.9%,以下注意障害 29.8%,記憶障害 26.2%などであった。都内の高次脳機能障害者総数は 4,177人と推定された。このうちの 300名に生活実態調査を実施した。日常生活では,基本的な日常生活活動に比較して社会的な活動である道具的日常生活活動の障害が著しかった。普段の生活では社会との接点の少ない暮しぶりが明らかで,原職復帰していたのは 3.9%にすぎなかった。
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© 2002 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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