APU言語研究論叢
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留学生の「就業力」に関する研究
―コンピテンシー・レベルと「社会人基礎力」の関係―
梅田 千砂子 渡辺 若菜伊藤 俊也
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 3 巻 p. 94-

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抄録
本研究は、就職支援を視野に入れた日本語教育の研究である。日本で就職を希望する留学生が採用面接時に評価されるコンピテンシーと「社会人基礎力」の2つの関係を明らかにすることを目的とする。まず、留学生に企業が新卒者の採用面接で用いるコンピテンシー面接の手法を用いて、「学生時代に力を入れたこと」について過去の行動を掘り下げて尋ね、その行動をもとに留学生が有するコンピテンシー・レベルを5段階で評価した。  次に、評価した各レベルの対象学生が持つ「社会人基礎力」を抽出した。その結果、対象学生を3つのコンピテンシー・レベルに分けることができ、そのレベル判定には、セルフマネジメント・サイクル(PDCA)が影響を与えていることがわかった。また、コンピテンシー・レベルに対する面接者の評価には、「課題発見力」「計画力」「実行力」の3つの「社会人基礎力」の質が影響を与えており、難易度が高くチャレンジに値する課題設定が、それに続く計画の質を高め、大きな実行力を生むというモデルを示すことができた。
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© 2018 立命館アジア太平洋研究センター
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