水産増殖
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原著論文
伊勢湾の砂浜海岸砕波帯に出現したトラフグ稚魚について
中島 博司津本 欣吾沖 大樹
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2008 年 56 巻 2 号 p. 221-229

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抄録

2004年から2006年の5~7月に,三重県鈴鹿市および津市の砂浜海岸の砕波帯において,砕波帯ネットを用いてトラフグ稚魚の出現について調べた。2004年5~6月に5個体,2005年5~6月に52個体,2006年6~7月に236個体のトラフグ稚魚が採集された。トラフグ稚魚の全長は最小 8 mm,最大42 mm で平均16.6 mm であった。2004年に津で採集された 2 個体を除く全ての稚魚は鈴鹿の砂浜海岸で採集された。これらの結果から,伊勢湾口の産卵場でふ化した仔魚は,5月下旬から6月中旬にかけて概ね全長 8 ~10 mm で伊勢湾奥部の鈴鹿市周辺海域の砕波帯に着底するものと推測された。また,鈴鹿に出現するトラフグ稚魚をモニタリングすることによって,伊勢湾における加入動向を早期に予測する可能性が示唆された。

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© 2008 日本水産増殖学会
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