水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
原著論文
カワハギおよびウマヅラハギの成長と水温の関係
水野 かおり三浦 智恵美三浦 猛
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 62 巻 1 号 p. 23-30

詳細
抄録

カワハギおよびウマヅラハギの適水温を明らかにするため,異なった水温(15°C,20°C,25°C,30°C)で63日間,飽食給餌下にて飼育し,両種の飼育成績を比較した。カワハギの成長は20°C~25°Cが最もよく,日間摂餌率および飼料効率は,15°Cと25°Cでは高水温ほど増加したが,30°Cでは減少した。ウマヅラハギは30°Cでは全ての個体が死亡した。日間増重率および日間摂餌率は,15°Cと20°Cでは高水温の20°Cの方がより増加したが,25°Cでは減少した。一方,飼料効率は15°Cが最も高く,高水温ほど減少した。これらの結果から,両種の飼育適水温はカワハギ20°C~25°C,ウマヅラハギ15°C~20°Cの範囲内であると推察された。また,海面小割生簀で15ヶ月間の飼育試験を実施した結果,カワハギは60 g から371 g,ウマヅラハギは24 g から267 g に成長し,累積死亡率は,カワハギでは29%と高く,ウマヅラハギでは 3%と低かった。

著者関連情報
© 2014 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top